空間は、光のovoid(卵形体)によって立体的に埋め尽くされている。人々はovoidをかき分け、空間の中に入っていく。
人々は、空間を、曖昧な色で光るovoidの群によって立体的に認識したり、単色に満たされることによって平面的に認識したりと、立体と平面とを行き来しながら、立体と平面に身体ごと埋没していく。
光のovoidは、人に叩かれ衝撃を受けると、色を変化させ、色特有の音色を響かせる。そのまわりのovoidは、近くのovoidから、放射状に連続的に呼応し、同じ色になり同じ音色を響かせていく。
各ovoidが自由に移動し、どこにあったとしても、空間全体としての光のふるまいは維持される。そのため、集団としてふるまう光は、ひとつの立体的な存在とも言える。今回は、衝撃を受けたovoidを中心として、球状に光が広がっていく。人々は、光の立体的な存在として認識しつつ、ovoidをかき分け、その立体的存在の中に入っていく。
ovoidは、光だからこそ発色できる曖昧な9色(水の中の光、水草のこもれび、朝焼け、朝空、たそがれ時の空、桃の実、梅の実、花菖蒲、春もみじ)と、空間を平面化する3色(青、赤、緑)の計12色の色に変化していく。