各空間から魚群が出て、この作品ははじまり、他の作品の境界を越え、他の作品に影響を与えながら縦横無尽に泳ぐ。そして、他の空間に入り、新たな作品として連続していく。
人々が魚群に触れると、人々はそれぞれ色を持っており、その色に染まっていく。
数千から数万の魚の群れの動きは、美しく神秘的で、まるで一つの巨大な生命体のようにも見える。その群れの動きの生理学的なメカニズムは謎に包まれているが、生命体のように感じるということは、直感的に、そこに時空間的な高い秩序があるようにも思える。構成要素が時間的空間的に離れていても、強い存在、そして生命感を持つ存在になりえるような、新たな時空間的姿形を模索したい。そして、空間的には同じ姿形が二度とないにも限らず、そして、時間と共に、大きさすら大きく異なるにも関わらず、同じ秩序が維持されている限り、同じ存在として感じられる新たな姿形を模索できるのではないかと考えている。