鳥道 / The Way of Birds
teamLab, 2020, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
鳥道 / The Way of Birds
teamLab, 2020, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
光で描かれた群鳥が空間を自由無礙に飛び回り、その軌跡が光跡となり、空間に描く線を描いている。
鳥は、人々を把握し、ぶつからないように人々を避けようとする。
数千から数万の鳥の群れの動きは、美しく神秘的で、まるで一つの巨大な生命体のようにも見える。群れには、リーダーもいなければ意思疎通もなく、となりの仲間が動くと自らも動くというような単純な規則で動いているとされている。しかし、数百羽の群れでほぼ同時に起こることの生理学的なメカニズムは謎に包まれている。そこには、人間がまだ理解していない普遍的原理の存在があるかのように感じる。何にせよ、空間に描かれる線群は、全体としての意思はない。人々の存在の影響を受けながら、一羽一羽がプリミティブな規則で動くことで、意図のない複雑で美しい線群を空間に描く。
空間の中央付近に立つと壁と床の境界がなくなり現実空間が消え、やがて作品世界に没入し、群鳥の軌跡が描く線群が空間に立体的に描かれはじめ、人々は身体と作品世界との境界をも失っていくだろう。
作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、変容し続ける。今この瞬間の絵は2度と見ることができない。