現代テクノロジーとアートの超未来: チームラボ
国立台湾美術館の要請により、日本の東京で活躍しているチームラボが今年、再度台湾に展覧会を開きに来ました。「We are the Future(藝術超未来)」をテーマにした今回のデジタルテクノロジー展覧会は、現在国立美術館デジタル方舟館及び竹林内ホールにて展示をしています。今回、台湾digiarts.org.tw(數位藝術知識與創作流通平台)は、特別にチームラボ創設者・猪子寿之氏に独占インタビューをしました。彼の会社の紹介と、彼のアート、デザイン、テクノロジーと業界の融合に対する考え方について、聞いてきました。 Q: インタビューを受けていただいて、ありがとうございます。まずは、アート及び情報サービスのチームであるチームラボについて紹介して頂けないでしょうか。猪子: 簡単に言うと、我々は情報社会の中で創作し続ける人間の集合で、メンバーはいろんな領域からやって来ています。具体的にはエンジニア、数学家、建築家、ホームページ及びグラフィックのデザイナー、CGアニメーター、アーティスト及びディレクター等。2001年3月に設立し、今は約200人の会社になりました。秩序がなくともピースは成り立つ Diorama Ver.Q: チームラボにはコアメンバーがいますか?あるいは、いろんな領域の専門家からできているので、それぞれの領域の責任者または管理者はいますか?猪子: この質問はたくさんの人に聞かれます。日本でも良く聞かれます。これについては、私はある例えで説明します。あなたは日本の東京に行ったことありますか?東京の中心は日本皇居ですが、あそこが大変虚しい場所であるのは知っていますか?私が言いたいのは、もしかしたら我々の運営方式はあなたが想像しているトップダウン型ではないかもしれないということです。チームには必ずリーダーが必要とは限らず、作品は必ず特定のチームリーダーのもとで完成するとは限りません。もちろん、ある作品の制作期間中に技術的な問題に遭遇した際、あるいはテクスチャーや制作技術の精度を高めたい時には、あなたが言ったように、専門領域のリーダーに任せることはありますが。Q: 今回展示作品以外にも、特別に紹介したい最近の代表的な作品、またはコラボレーションプロジェクトはありませんか?猪子: 最近の作品で言うと、オープンしたばっかりの東京スカイツリーの一階にある壁画作品です。そして、コラボレーションプロジェクトで言うと、2011年の紅白歌合戦ですね。紅白歌合戦は日本の大晦日にライブ放送するので、我々は番組制作のNHKと協力しながら、「嵐」の演出とコラボレーションさせて頂きました。当時はまだ作品名をつけてなく、「紅白嵐の演出」と名付けています。「嵐」のライブ演出中、我々は舞台全体の立体空間を特殊効果の映像背景にしました。この作品のリツイート率は当日日本のツイッター上で2位となって、当時ツイッター上での作品名が「嵐の演出」となっていました。(「紅白歌合戦の嵐の演出」は2011年1月の合計リツイート数260万回を記録しています)東京スカイツリーの壁画(隅田川デジタル絵巻)Q: チームラボはアートと企業を融合して会社を成立しましたが、このような会社形態は欧米のデザイン、新メディア及びアート領域の創作チーム型の会社、例えばドイツのART+COM等を連想させます。これについては、チームラボを設立するまでには、ある程度影響またはヒントを受けましたか?あるいは、今まで他の同タイプの会社と協力したことはありますか?猪子: 実は、会社の設立には特に他の会社やチームの影響を受けていません。振り返って考えてみれば、会社設立までの経歴は相当面白かったです。インターネットが発展し始めていた1996年頃、まだ大学就学中の私は、未来はデジタルテクノロジー主導の世界になることを確信していました。デジタルテクノロジー、いわゆるテクノロジーがデジタルを中心に発展することです。当時私はテクノロジーにカルチャーを取り込めば完璧だと思っていました。但し、如何に両者を融合させるのははっきりしませんでした。ただ両者を融合させたいという方向性を決めて、自分が借りたアパートで研究し始めました。 また、友達らが大学を卒業して、会社に勤め始めたりしていました。私はまだ大学院在学中でしたが、友達と集まって交流したい気持ちが強まった結果、このような会社を設立しました。当時は売上などまったく考えていませんでした。百年海図巻 [上映時間: 100年]花と屍 剝落 十二幅対Q: 多くの作品はビジネス領域で展示されていて、または他の企業と協力して作っていたと思いますが、あなた達にとって、美術館での展示とビジネス領域での展示には違いはありますか?その違いについて、どういう風に考えてますか?猪子: 私だけで言いますと、デジタルテクノロジーの利用またはデジタル領域で創作し続けることがずっとやってきた仕事で、テクノロジーの研究及びアートの創作が、人々に新しい価値、新しい認識をもたらすことを期待しています。私がとても重要だと認識しているのは、この業界の中では、私が作ったものは簡単には受け入れられないかもしれないということです。だからこれはひとつの検証の過程でもありますが、ビジネス領域の場合、相手が我々の提案に乗り、そしてリスクを理解してくれれば、我々はパートナーとなる機会が高まります。それほど応用性のない作品、例えば、アートと創作に偏る作品理念が、当面ビジネスの面で受け入れにくければ、我々はアートと創作の領域でその作品を体現して行きます。花紅メディアブロックチェア取材:Kuanyo