環境現象 / Environmental Phenomena
作品は、作品だけで存在できず、環境が現象を生み、その現象が作品を創る。
石ころや、これまで人間がつくってきたものは物体であり、物体はそれ自体で安定的な構造をもつ。石ころは、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続ける。
一方、海に生まれる渦は、閉じた箱に移すと一瞬で消えてしまう。つまり、渦は、それ自体で安定した自らの構造を保っていない。渦は、環境が生む流れの中にある存在であり、渦の外部から内部へ、そして内部から外部へと流れ続ける水によってつくられ、流れとともに変化する。そして、その存在の輪郭は曖昧で、渦と渦の外側の物質的な違いはない。
物体ではなく、特別な環境を創り、環境が生んだ現象によって作品を創る。それらを”環境現象”と呼ぼう。作品は、環境とは切り離せず、環境変化とともに変化する。そして、これまで人間がつくってきたものの常識を超越し、人が作品の中に身体ごと入り込んでも作品の存在は維持され、作品は壊れても修復される。逆に、環境が維持されない時、作品はなくなってしまう。作品の存在の輪郭は曖昧で、環境と連続的である。人々の意識は作品そのものから環境にまで広がっていくだろう。
FEATURED WORKS
生命は結晶化したうごめく光 / Living Crystallized Light
teamLab, 2022, Interactive Installation, Sound: teamLab
質量のない雲、彫刻と生命の間 / Massless Clouds Between Sculpture and Life
teamLab, 2020, Interactive Installation, Sound: teamLab
我々の中にある巨大火花 / Giant Solidified Spark
teamLab, 2022, Digital Installation, Sound: teamLab
質量のない太陽と闇の球体 / Massless Suns and Dark Suns
teamLab, 2022-, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
空中浮揚 - 平面化する赤と青、曖昧な紫 / Levitation - Flattening Red and Blue & Blurred Violet
teamLab, 2021, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi