Digital Art
2001
チームラボは、デジタルアートによるアートと人との新しい関係性を模索することで、人々と世界との新しい関係を模索する
表現は物質から解放され、変化そのものを表現できる
人類がデジタルテクノロジーを手にする以前、人間が生み出す表現や情報は、紙とインクのような質量を持つ物質と固定しないと存続できなかった。しかし、デジタルテクノロジーによって表現や情報は物質から解放され、表現単独、情報単独で存続しうるようになった。アート作品においても、たとえば絵画はキャンバスや絵の具という物質と固定することで存在する。そのため、作品も固定的に存在していた。しかし、物質から解放された表現は、表現単独で存続できるようになり、自由に変容可能な存在になったのだ。
そして、デジタルテクノロジーによって、変化そのものをより自由に、より厳密に表現できるようになった。人々のふるまいや作品の置かれている環境によって、どのように変化させるかということが表現できるようになったのだ。つまり、作品を鑑賞者に対して「インタラクティブ」(双方向的)にすることで、鑑賞者が作品へ参加するようになるだろう。
拡大性と空間適応性
表現が変容可能な存在になったことにより、デジタルアートは容易な拡大が可能となる。もしくは、より自由度の高い「空間適応性」をもったとも言える。作品はより巨大化・空間化していくだろう。鑑賞者は、以前よりも直接的に作品の中に入り体感するようになるだろう。
FEATURED WORKS
teamLab, 2012, Online Project, Sound: Hideaki Takahashi
Googleで画像検索すると、検索結果画面には、世界中のネットにある画像が格子状に表示される。検索結果を決定するGoogle独自のアルゴリズム。それを逆に利用することで、画像を意図的に配列し、検索結果をキャンバスにしてひとつの絵を描くことを試みた作品。人類が、洞窟や紙に絵を描いてきたように、そして、都市にボムしたように、巨大なインフラとなったGoogleにボムする。その新しいメディアでの表現の制限を超えるため、新しい道具と技を開発してGoogleに絵を描いた。洞窟や紙の絵が経年劣化するのと同じように、その絵は少しずつ、ネットの中で消えていく。それでも、世界中で“今”を共有する。
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